日本一のベニズワイガニの産地から
「カニ爪入りクリームコロッケ」

11月上旬、日の出とほぼ同時刻でもある午前6時30分。鳥取県境港市の水産物地方卸売市場にやって来ました。夜明けの明るさが徐々に増すこの時間、すでにもう港には船が続々と到着し、海の幸を陸の人々に届ける準備が始まっています。

境港はその名の通り、島根県との県境にある港湾の町。日本海に面した半島の地形は3方を海に囲まれているため、古くから良港として重宝されてきました。江戸時代は諸藩との貿易拠点として、明治期には日本海航路の要衝として栄え、1951年には国の重要港湾に定められるとともに港にも市場が開設されました。
現在でも境港はカニ、マグロ、アジ、イワシ、スルメイカなどの多種多様の魚が水揚げされており、全国有数の水揚げ量を誇る、日本海側きっての重要な港です。

早朝の賑わいが繰り広げられる市場では、水揚げされたばかりのベニズワイガニがセリを待つ会場にずらりと大集結。
ベニズワイガニがぎっしりと、30~40㎏入ったカゴが300個ほど置かれている風景は圧巻そのもの。多い時ではカゴの数は800~1000個近くにものぼるのだとか。

それもそのはず、境港は日本を代表するカニの産地。なかでもベニズワイガニは日本一の水揚げ量を誇っている港なのです。
そんな境港で水揚げされる新鮮なベニズワイガニを中心に、冷凍魚、鮮魚を加工・製造販売しているのが地元境港に本社を構える友田セーリング(株)です。今回は、カニの風味と食感を存分に堪能できる同社の「カニ爪入りクリームコロッケ」の魅力をお届けしたいと思います。

友田セーリング(株)の「カニ爪入りクリームコロッケ」

今回ご紹介する「カニ爪入りクリームコロッケ」は、国産のベニズワイガニを使用した本格的なカニクリームコロッケ。肉厚でボリューミーなカニ爪に、コクと風味豊かな自家製のクリームソース。そこに美味しいベニズワイガニのフレーク(スチームフレーク)を配合した一品です。

頬張ると、サクサクの衣の中から覗かせるぷりっとした食感のカニ爪肉。さらにアツアツのクリームと、たっぷりのほぐし身から湧き上がるカニの風味がお口の中でとろけます。 クリームコロッケは、揚げてから時間が経つと固くなりがちですが、研究を重ねた自家製クリームソースは、冷めてもなめらか、美味しさもそのままなのには驚かされます。

冷凍タイプなので食べたいときに手軽に作ることができるのもうれしいところ。 この「カニ爪入りクリームコロッケ」の美味しさの秘密を求めて、製造元の友田セーリング(株)を訪ねてみました。

豊かな環境に恵まれた生産工場へ

米子空港から車で10分ほど、日本海や大山を臨む美保湾に面した工業団地内に友田セーリング(株)の本社と加工工場があります。ここから空港とは反対方向に10分ほど車で走ればすぐに市場にも行ける立地は、新鮮な食材を取り扱うのに非常に利便性の良い場所であることが想像できます。

1954年の創業以来、天然の良港として栄えた境港、そして大山の豊富な伏流水など、恵まれた自然環境の中で加工技術を磨きながら、美味しく、安心できる食品作りに努めてきたという同社。「カニ爪入りクリームコロッケ」について営業グループ マネージャーの河津さんにお話を伺いました。

開発のきっかけ

「これまで、ベニズワイガニ肉を中心に製造・販売をしてきましたが、ベニズワイガニの美味しさをより多くの人にお届けするために、受け入れてもらえる商品は何かを模索してコロッケの自社製造を開始しました。」と河津さん。

コロッケの自社製造を開始したのは2017年から。大量生産よりも品質と味を最重要視することで開発を進めてきました。外食業態を中心に味や品質を高く評価されて、2021年頃から事業が本格化します。ゼロから始めたにも関わらず、事業規模は大きく成長しているのだとか。

国産ベニズワイガニを調達

この商品で使用されているベニズワイガニは日本海・境港産がメインです。境港では環境保護のために7,8月は禁漁期間を設けているため、その期間は北海道産のベニズワイガニを使用することで、通年新鮮な素材の確保と環境面での配慮を両立させています。

また、ベニズワイガニは深海魚であるため、生息環境が一定していて生育や品質に影響を与える要因が少なく、年間を通して安定した品質が保たれるのだそうです。

特許技術で美味しくヘルシーに

「カニ爪入りクリームコロッケ」の美味しさは高品質の素材を使っているのはもちろんのこと、製造工程にも秘密があります。 その一つが、友田セーリング(株)が取得した特許技術「蒸気の技Ⓡ」。これは独自製法のスチーム加熱加工技術で、食材を一気に素早く加熱させ、均一に熱を伝えることができるというもの。

「食材がふっくら柔らかく仕上がり、製造工程の中で味を損ないやすいベニズワイガニのフレークでも、素材本来の味をそのまま残すことができます。」と河津さんは言います。

コロッケの具にはこの技術で作られた「紅ズワイスチームフレーク」が使用されています。 また、ベニズワイガニの身から染み出たドリップエキスにはカニの風味が凝縮されており、こちらも具に配合することでより豊かな風味を出すことができるのだそうです。 ベニズワイガニ本来のうま味を維持する秘密はこの特許技術が大きなカギを握っていると言っても過言ではありません。

味作りもすべて自社で研究開発

「カニ爪入りクリームコロッケ」はカニの仕入れから加工、クリームソース作り、衣付け、調理に至るまで全て自社一括管理で行われています。工場内を最新設備にシフトさせたことでカニの加工効率アップを実現。同時に新たなスペースが生まれ、そこに調理品を研究・開発するエリアや製造ラインを新たに設置して、味作りの開発にも力を入れています。

ここではクリームソースの配合や、サクサクでボリューミーな衣をつけるための特殊な技術のほか、揚げた時に衣がパンクしないような配合の研究などが重ねられているのだとか。ノウハウの蓄積とともに、この商品以外にも「オマール海老の爪入りクリームコロッケ」「かにまん」「かにアイス」など独自性の高い魅力的な商品が生み出されているそうです。

徹底した品質管理

工場は食品を安全で衛生的に製造・加工・調理・提供するための国際標準であるFDAのHACCPを2001年に取得。ベニズワイガニは原料買い付けから製品に至るまでの工程が多く、品質・衛生管理を徹底させることは難しいとされる中で、友田セーリング(株)は「紅ズワイミート」の水産品目において日本で一番初めにHACCP認証を受けたカニ工場なのだそう。このように品質管理も万全の体制をとって安心・安全な食品を届けていることが窺えました。

ご自宅でリッチな味わいを

今回ご紹介した「カニ爪入りクリームコロッケ」は大手の飲食業界をはじめとした食品業界でも採用されているリッチな味わいを手軽に楽しめる一品です。いつもの食卓や、お弁当はもちろんのこと、「カニ爪」があることでパーティーやお祝いごとの料理にも華やかさが加わります。これからの季節、クリスマスや年末年始など、さまざまなシーンで活躍してくれることでしょう。日本一のベニズワイガニの産地から届けられる、こだわりの味を堪能してみてはいかがでしょうか。

文/六反いづみ 写真/小宮広嗣

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